コロナウィルス感染に揺さぶられた福井県の高校野球は, 8月3日, 敦賀気比高校が福井工大福井を下して優勝し, 次世代へバトンをつなぎました。
その中で, 甲子園初出場を目指す県立羽水高校野球部の奮闘を, FBCテレビが『FBCスペシャル2020 ~つなぐ~僕らの終わらない夏』として, 特集で,8月7日(金)放送しました。
学校が休校になり, 練習で仲間と会うこともできない悔しさ, そして再開した時の喜び。甲子園大会が開催されるかどうか分からない切なさ。それでも, 日々の練習を懸命にやっていれば道が開けると信じて前を向く選手たちの姿がありのままに描かれていました。何とか選手の気持ちを盛り立てようとする家族やマネージャーの気遣いも胸を打ちます。強豪私立, 公立関係なく, こんなドラマがあったのだと思います。
3年生には, 福井嶺北5期卒団生の鳥山優太郎君と鳥山広太郎君がいました。鳥山広太郎君は, 走攻守とも非凡な力を持つ好打者。鳥山優太郎君は, 中学生の時は粗削りでしたが, パワーのある明るい選手。二人とも同じ高校に進学し, 1年生のときから頭角をあらわしました。 福井嶺北の卒団式の後, 優太郎君がわざわざ挨拶に来て, 自分は中学の時の結果に満足していないから, 高校で必ず頑張るんだ, と言ってくれたのを覚えています。
公立高校から甲子園へ, という夢をかなえるべく野球に没頭した二人は, 羽水高校のチームメイトともに, 昨年秋は県大会ベスト4まで勝ち上がり, 夢が現実に, と期待した矢先のコロナ禍でした。
▲鳥山広太郎君 (2019年秋季大会)
▲鳥山優太郎君(2019年秋季大会)
でも, 「野球はみんなを繋いでくれるからいいと思います」と主将が胸を張った通り, この経験は, 選手たちを一回りも二回りも大きくしたと思います。コロナ禍で甲子園を奪われたことから得たものが, ほかの代では得られない宝物に変わっていくことを願っています。野球は人を分断するのではなく, 繋ぐものでなくてはなりません。
鳥山優太郎君は, 敦賀気比戦のタイムリーなどで4番の存在感を示した, として中日新聞記者が選ぶベストナインに選ばれました。すべての球児に忘れられない宝物のような夏となりますように!