例年, ジャイアンツカップ県代表決定戦を兼ねて行われていた福井県中学生硬式野球大会。現在の方式に変わって4回目の今年は, ジャイアンツカップがコロナの影響で中止されたものの, 福井県の中学生クラブチームナンバーワンを決める大会として, 時期をずらして実施されました。
福井嶺北リトルシニアは, トーナメントを勝ち抜き, 堂々初優勝を勝ち取りました。リトルシニア勢として初めての栄冠です。
●1回戦 福井嶺北シニア 3-2 若狭高浜ボーイズ
●2回戦 福井嶺北シニア 4-2 敦賀ボーイズ
●準決勝 大野ボーイズ 3-5 福井嶺北シニア
●決勝 鯖江ボーイズ 1-2 福井嶺北シニア
梅雨明けの猛暑の中, 楽に勝てた試合はひとつもありません。逆に, すべて競った試合をモノにしたことに, 選手たちの成長を感じました。難敵相手に失点が1試合平均2点という数字にも粘りが顕れています。チャンスでは, 上位下位関係なく食らい付いていきました。
優勝を決めたキャッチャーフライ好捕は, 象徴的なビッグプレーだったと思います。最終回の守り。2死で好打者を迎えました。4球目舞い上がったフライは相手側1塁ベンチを越えるかと思われました。これを追いかけた捕手の稲端君は完全に飛び上がってミットを差し出すと, そのままベンチ前にお腹をたたきつけて落下。大丈夫か?捕球はできたのか?一瞬の沈黙の後, ミットにウィニングボールをつかんだまま, 稲端君が満面の笑みで起き上がりました。
恐怖もあったと思います。何が何でも突っ込めとは言えません。でも「捕れる」と思ったら体が動いてしまったのでしょう。恐怖を我が物とするとき、真の「勇気」が生まれます。選手みんなの「勇気」が、勝利の女神を振り向かせてくれました。
8期生は, 初めての公式戦だった北陸新人戦で優勝しましたが, その後新型コロナウイルスの感染拡大で, 思うような活動ができませんでした。しかし, 最後の(準)公式戦福井県中学生硬式野球大会で見事優勝し, 有終の美を飾ることができました。
突出した選手がいるわけではありません。チームワークと, ここぞというときの集中力で, これまで到達できなかった場所へたどり着いてみせました。野球ってほんとに面白い, と選手が実感してくれたら, 嬉しいです。